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高次神経機構

高次神経機構1学習

学習とはひとも含めた動物は生後新しい事態に直面すると、それ以後の行動が以前と異なった、新しい、しかもその事態に即したものに変化する。このように経験によって動物の行動が比較的長期にわたり変化する過程を学習learningという。ここでいう経験とは決して精神過程を意味せず、動物の遭遇する環境(刺激群)とその下で生じる動物行動をひとまとめにしたものをさす。学習学習とはひとも含めた動物は生後新2学習と記憶一方、学習によって引き起こされる行動変化は、経験の効果が何らかの形で生体内に蓄えられてたために生じると考えられる。この経験の効果の保持過程を記憶memoryという。保持過程は当然、脳を介して生ずるから、学習の脳内過程を広い意味で記憶と定義できよう。したがって学習と記憶は1つの過程を表と裏から見ているにすぎない。学習は新皮質が発達した動物に著しい。ヒトでは時に著しく、ヒトを他の動物から区別しているものであり人間性の証ということができる。

学習と記憶一方、学習によって引き起こさ3学習の種類

①余剰学習redundancylearning:動物にとって不必要な情報を積極的に捨てる学習。②連合学習associativelearning:2つの刺激が時間的に同時または近接して与えられたとき生じる学習である。③結果学習contingencylearning:動物が行動した結果に基づいて生じる学習である。学習の種類①余剰学習redundancyl4余剰学習

redundancylearning

学習の最初の過程は、動物がある環境(刺激群)に遭遇し、これを受容することから始まる。しかし、受容したすべての情報が脳内で処理され貯蔵されるわけではない。脳には、情報的に価値のあるものとないものを取捨選択する機構が存在する。このうち、慣れhabituationと呼ばれる現象は重要であり、一種の学習とみなすことができる。余剰学習

redundancylearning5慣れhabituation慣れhabituation6

慣れ学習の成立には脳幹網様体が重要な役割を果たしている。これは、行動の慣れと、脳幹網様体に起因するといわれる脳波の覚醒反応の低下が平行して生じることからわかる。Sokolov(1960)は、網様体にさらに大脳皮質を加え、両者の関連によって慣れが発生する機序を次のように説明している。いま、1つの刺激が与えられたとき、大脳皮質の神経細胞はこの刺激によって活動し、その結果、刺激の種々な特徴を貯える。次にまた刺激が与えられると、この刺激と脳に貯えられている前の刺激パターンが比較される。両者のパターンが一致しない場合は、大脳皮質から網様体に興奮性の神経インパルスが送られ、網様体の活性が高まり、その結果指向反射が生じる。両者のパターンが一致すれば、皮質から網様体へ抑制インパルスが送られ、網様体の活動が低下し、その結果、慣れが生じる。

慣れ学習の成立には脳幹網様体が重要な役7連合学習

associativelearning

前項では、情報的価値のない刺激が捨てられる機序について述べた。それと反対に刺激に情報的価値が付加される場合がある。1つの刺激が情報的に価値のある第2の刺激と同時か、近接して動物に与えられるとき、第1の刺激の情報的価値が増す。第1の刺激の情報的価値増大は、第2刺激と”連合”して与えた結果生じると考えられるから、この種の学習は連合学習と呼ばれている。連合学習

associativelearning8連合学習の成立機構

パブロフPavlovは、連合学習は大脳皮質内で生じると主張した。しかし、近年の研究によって、皮質を外科的に完全に除去した動物にも、連合学習が成立するといわれ、連合学習は、基本的には皮質下で生じると考えられている。また、間脳や中脳を破壊すると連合学習が消失することから、これらの部位が連合学習成立に重要な役割を果たしていることがわかった。また、連合学習が成立していく過程で電気活動(脳波)の最も顕著な変化が脳幹網様体で見られることから、中性刺激と無条件反応の連合は、ここで生じると考える人もいる。しかし、複雑な刺激パターンの分化には、もちろん大脳皮質も必要と思われる。

連合学習の成立機構パブロフPavlovは、9結果学習

contingencylearning

結果学習は、動物がある行動を行った結果に基づいて生じる学習である。いま、動物がある環境下に1つの行動をした結果、報酬rewardを得た場合を考える。動物はこの報酬を刺激として受容する結果、再び同じ環境に置かれると、報酬を得るために前にしたのと同じ行動をするようになる。また行動の結果、報酬でなく罰punishmentを受けると、動物はその後罰から逃れようとする(あるいは罰の効果を弱める)行動をするようになる。報酬または罰は、行動を強めるという意味で強化刺激reinforcingstimulus、または強化因子reinforcerと呼ばれる。結果学習

contingencylearning10結果学習

結果学習の成立には、強化の与え方が重要である。一般に、強化を与えた直前の行動が特異的に強化される。いったん強化された行動も、その行動が生じたとき強化しなければ、やがて生じなくなる(オペラント消去:operantextinction)。また、成立した行動は、行動が起こるたびに全部強化しなくとも、間欠的に一部の行動のみ強化されれば、消去せず持続する(間欠強化:intermittentreinforcement)。結果学習において、もう1つの重要な条件は、強化される行動が生じる環境である。結果学習結果学習の成立には、強化の与え方が重11結果学習模式

手がかり刺激→行動→強化刺激と書ける。特定の手がかり(たとえば、特定の色や図形など)のもとで生じた行動だけを強化すると、その行動は、その手がかりがある時だけ起こるようになる。この現象を刺激弁別stimulusdiscriminationという。

結果学習模式手がかり刺激→行動→強化刺激と12結果学習の脳内機構結果学習は連合学習と異なり、学習成立の過程に大脳皮質の存在が必須であると言われている。このことは、大脳皮質を摘除するか、あるいはその機能を拡延性抑圧spreadingdepressionによって一時的に消失させると、結果学習が成立しなくなることから主張されている。結果学習に対応する記憶は、一側の大脳半球に限局することができる。結果学習の脳内機構結果学習は連合学習と異なり、学習13高次神経机构课件14記憶の固定化

学習の結果生じる動物行動の変化に対応して、中枢神経系内に生じるであろう変化を漠然と記憶ということは前に述べた。このような記憶は再生reproduction可能な時間をもとに、さらに2つに分けられている。短期記憶short-termmemoryとは、短い期間内(分の単位)だけ再生可能なものをいい、長期記憶long-termmemoryとは、さらに長い期間再生可能なものをいう。記憶の固定化学習の結果生じる動物行動の変化に15

記憶の基礎過程に関する説

記憶過程がこのように2段階あることから、次のような仮説が呈示されている(Hebb,1949)。第1段階は脳内神経回路を神経インパルスが回り続けている状態である。つまり動物がある環境に遭遇したとき、感覚器から入力した情報が神経インパルスとして脳に達し、ある特定の神経回路(たとえば反響回路)を回り続ける状態である。第2段階は、上記インパルス活動の結果、神経回路のどこかに構造的ないし物質的変化が生じたことに対応していると考えられる。このような物質的変化を心理学では記憶痕跡memorytraceまたはmemoryengramと呼ぶ。

記憶の基礎過程に関する説記憶過程がこのよう16記憶の基礎過程第一過程で主張される神経インパルスの特定神経回路での循環の発生には、循環回路を作っているシナプスを通過する神経インパルスの多少によって、そのシナプスの伝達効率が、長期にわたって変化する事が必要であろう。近年、中枢神経内、海馬や、大脳視覚野のシナプス前線維を高頻度で連続刺激すると、長時間(数時間から数日)シナプスの促通が生じることが見いだされ、その機構について調べられている。この現象は、長期増強long-termpotentiationと呼ばれ、記憶の第一過程の基礎をなすものでないと、注目されている。記憶の基礎過程第一過程で主張される神経17記憶の基礎過程

第二過程として脳内に引き起こされる構造的変化(記憶痕跡)の本態として、しばしば核酸とタンパク質が取り上げられている。代謝阻害物質を脳内に注入すると、ニューロンのタンパク質および核酸の合成が阻害される。それと同時に迷路学習、回避学習の成立阻害される。ところが、学習成立後、1週間以上たってから阻害物質を脳内に注入しても、その学習行動は影響されないという。そのことから、核酸およびタンパク質が記憶痕跡の成立と密接な関係をもつと考えれている。このように記憶の基礎に関しては諸説が主張されているが、その詳細は現在のところ不明である。記憶の基礎過程第二過程として脳内に引き18二次強化とより高次の学習

ある刺激は、前に述べたように生得的に行動を強化する性質を持っている。たとえば、飢えた動物において食餌は一連の行動を強化する。このような強化因子を一次強化因子primaryreincorcerという。これに対し学習の結果、強化能力を獲得した強化因子を二次強化因子secondaryreinforcementという。高次の学習は、二次強化さらに、より高次の強化によって成立すると考えられる。さらにヒトでは言語学習が加わり、より複雑な学習が形作られている。ヒトの判断とか、計画を立てるという機能も、過去の経験の〈記憶〉にもとづいた複雑な学習行動とみることができる。

二次強化とより高次の学習ある刺激は、前に述べ19脳波の発生機序

脳波の発生に関して2つの考え方がある。1.多数の神経細胞や神経繊維の活動電位群の包絡線envelopeによって生じるとする考え方。2.皮質錐体細胞の尖頭樹状突起apicaldendriteや基底樹状突起basaldendritesなどに見られる、比較的長い経過のシナプス電位の加重したものとする説。脳波の発生機序脳波の発生に関して2つの考え方がある。20脳波の発生機序

①脳波と樹状突起電位の干渉:大脳皮質表面の局所を電気パルスで直接刺激すると、極近傍(約5mmの範囲内)に皮質表面陰性の約10msec持続する電位変動が記録できるこの波は樹状突起電位dendriticpotentialとよばれ、樹状突起、特に尖頭樹状突起に付着するシナプス活動に基づくシナプス電位であるといわれる。樹状突起電位は、脳波の一種である紡錘波spindleと干渉する。脳波の発生機序①脳波と樹状突起電位の干渉:大脳皮質表面の局21脳波の発生機序②脳波と大脳皮質内神経細胞のシナプス電位との相関:大脳皮質内の神経細胞から細胞内誘導によってシナプス性変動synapticfluctuationを記録する。この変動と皮質表面の脳波の相互相関crosscorrelationを調べると、両者の相関が大である。このことは、大脳皮質細胞のシナプス電位が脳波発生の原因であることを示している。脳波の発生機序②脳波と大脳皮質内神経細胞のシナプス電位との相22脳波の記録

脳波の記録23α波

(8-13Hz)β波(14-25Hz)θ波(4-7Hz)δ波(0.5-3.5Hz)α波(8-13Hz)β波(14-25Hz)θ波(4-7Hz24αブロック現象αブロック現象25大脳皮質の誘発電位

感覚受容器や末梢神経や脳の諸構造を刺激すると、大脳皮質に、自発電気活動に加えて、電気活動の一過性の変動が生じる。これは、これら刺激によって、大脳皮質ニューロンの活動が一過性に変化する事に由来する。この変動を誘発電位evokedpotentialとよぶ。通常、誘発電位の記録には、比較的大きな電極が用いられるから、記録すれるものは、単一ニューロンの電気変動ではなく、ニューロン集団neuronpopulationのそれである。。この意味で、誘発電位を集合電位(masspotential)と呼ぶ。大脳皮質の誘発電位感覚受容器や末梢神経や脳の諸26誘発電位の記録刺激時刻に時間軸を合わせて多数回刺激し、得られる電位を加算する事が行われている。これを平均加算法という。いまn回加算すると、刺激から一定の経過で誘発される電位変動(信号)はn倍されるはずである。一方、脳波のようなランダムな電位変動(ノイズ)は√n倍される。それで、信号/ノイズの比が√n倍だけ改善され、刺激による反応が見やすくなり、頭皮上の電極からヒトの誘発電位が記録可能となる。誘発電位の記録刺激時刻に時間軸を合わせて多数回刺激し27睡眠と脳波

脳波は意識のレベルによって著しい変化を示す。①StageW(W):覚醒時。閉眼安静時にはα波が著明、開眼時には低振幅速波(β波)に置き変わる。②Stage1(Ⅰ):眠気が刺した(傾眠)状態。α波振幅が低下すると同時に、その出現する期間も短くなる。それに変わって低振幅徐波(θ波が多く、一部δ波も含む)が出現する。また、大きな鋭波Sharpwaveが出現することが多い。③Stage2(Ⅱ):浅い睡眠。比較的低振幅の徐波が連続し、ときどき12-14Hzの睡眠紡錘波sleepspindleが出現する。また、この時期には、K-複合(K-complex)が出現しやすい。

睡眠と脳波脳波は意識のレベルによって著しい変化を示す。28睡眠と脳波

④Stage3(Ⅲ)とStage4(Ⅳ):深い睡眠時。高振幅のδ波が現れる時期をいう。これが20-30%の時、Stage3といい、50%以上のときStage4という。⑤StageREM(REM):一番覚醒し難い睡眠時。逆説睡眠paradoxicalsleepともいう。入眠して2時間くらい経過するとStage1と似た脳波が出現する。不規則な低~中振幅のθ波、それに低振幅のβ帯からδ帯までの波を含む。この段階では、サッケード運動saccadiceyemovement(急速眼球運動rapideyemovement:REM)、顔面、手足の小さな収

縮が生じる。夢体験が活発である。筋のトーヌスは完全に消失する。睡眠と脳波④Stage3(Ⅲ)とStage4(Ⅳ)29睡眠と脳波睡眠と脳波30睡眠夜間睡眠中、Stage1は比較的短く1~7分続く。それからStage2→Stage3→Stage4→StageREMと進む。各段階の持続時間はまちまちであるが、全段階を一巡するのに1.5~2.0時間かかる。これを一夜に4~5回くりかえす。1晩の睡眠のうち、Stage2が1番長く、全睡眠時間の約半分を占める。次に長いのがStageREMで、成人では、1/4~1/5を占める。睡眠夜間睡眠中、Stage1は比較的短く1~31睡眠周期

睡眠周期32レム睡眠REMsleep

レム睡眠REMsleep33レム睡眠REMsleepレム睡眠REMsleep34高次神経机构课件35高次神経机构课件36言語

成人の言語野speechareaは一般に、右・左利きに無関係に左半球にある。しかし一部の左利きの人では、言語野が右半球や両半球にある場合もある。言語野を損傷すると失語症aphasiaが生じる。失語症には主として次の2つのものがある。①運動性失語症motororexspressiveaphasia:下前頭回の後方44,45やはBroca野Broca'sareaと呼ばれる。ここが損傷されると運動性失語症となる。発声の運動機能は正常であるのに、自発的によく話すことができない。あまり話さず、話しても遅く、構音も悪い。一方、人の話とか、書いてある文字の理解は正常である。

言語成人の言語野speechareaは一般に、37言語②感覚性失語症sensoryorreceptiveaphasia:上側頭回の後上部の22野の尾側部はWernicke野Wernicke'sareaと呼ばれる。ここが損傷を受けると感覚性失語症となる。自発的によく話す。しかし文法的誤りがあったり、話がくどくなる。一方、聴覚は正常なのに、話す言葉、書かれた文字の意味がわからなくなる。その他、補足運動野にほぼ一致して、上言語野superiorspeechcenterと呼ばれる部位がある。ここを刺激すると刺激期間中失語が生じる。言語②感覚性失語症sensoryorreceptive38高次神経机构课件39聴いてから話す

聴いてから話す40読んでから話す

読んでから話す41言語39野(角回)、40野(縁上回)が傷害されると、失読alexiaとか書字不能agraphiaが生じる。しかし、この領野に「読む」中枢とか「書く」中枢という特定の機能があるとは考えない。「読む」とか「書く」ということは、これらの領野も含めた複数の連合野が一緒に働いて実現した一連の行為とみなす。それで、22,39,40野を一緒にして後言語皮質posteriorspeechcortexという。

言語39野(角回)、40野(縁上回)が傷害される42言語脳梁は右左の大脳半球をつないでいる。この最尾側にある脳梁膨大が切断されると、視野の左側に短時間呈示した文字を音読できない。すなわち一側失読が生じる(視野の右側に呈示した文字は音読できる)。ところが、左視野に呈示した文字は音読はできないが、患者は正しく認知しているのである。このことは、多数のカードから左視野に呈示した文字と同じ文字を選び出すことができることによってわかる。

言語脳梁は右左の大脳半球をつないでいる。この最尾43言語このように、正しく認知しているが音読できない「一側性失読」の機序は,視野左に呈示された文字は、右半球の第一次視覚野を経て視覚連合野に行き、ここで認知される。それを音読するには、脳梁膨大部→角回・縁上回→Wernicke野に行き、そこにある語音の聴覚記憶像と対照されなければならない。ところが脳梁膨大が切断されているので、右半球から左半球へ伝わることができない。それで文字は認知されているが音読が不可能なのである。

言語このように、正しく認知しているが音読できない44言語音読という過程は単一のものではなく、文字の視覚的認知と、認知された文字の語音への転換という2つの過程であると考えられる。角回、縁上回傷害による失読、書字不能も同様で、そこに「読む」中枢、「書く」中枢を仮定しなくてもよい。Wernicke野も含めて、文字の聴覚性記憶および想起の場であるとすれば、全ての現象は理解できる。

言語音読という過程は単一のものではなく、文字の視45言語このようにヒトの大脳皮質の営む高次機能は、何もいちいちその機能に対応する単独の中枢を考える必要はない。複数の連合野の連鎖過程によって実現されていると考えられるようになった。連合野間の結合繊維が損傷されることによって引き起こされる高次機能の脱落症状を、離断症候群desconnectionsyndromeという。言語このようにヒトの大脳皮質の営む高次機能は、何46高次神経機構

高次神経機構47学習

学習とはひとも含めた動物は生後新しい事態に直面すると、それ以後の行動が以前と異なった、新しい、しかもその事態に即したものに変化する。このように経験によって動物の行動が比較的長期にわたり変化する過程を学習learningという。ここでいう経験とは決して精神過程を意味せず、動物の遭遇する環境(刺激群)とその下で生じる動物行動をひとまとめにしたものをさす。学習学習とはひとも含めた動物は生後新48学習と記憶一方、学習によって引き起こされる行動変化は、経験の効果が何らかの形で生体内に蓄えられてたために生じると考えられる。この経験の効果の保持過程を記憶memoryという。保持過程は当然、脳を介して生ずるから、学習の脳内過程を広い意味で記憶と定義できよう。したがって学習と記憶は1つの過程を表と裏から見ているにすぎない。学習は新皮質が発達した動物に著しい。ヒトでは時に著しく、ヒトを他の動物から区別しているものであり人間性の証ということができる。

学習と記憶一方、学習によって引き起こさ49学習の種類

①余剰学習redundancylearning:動物にとって不必要な情報を積極的に捨てる学習。②連合学習associativelearning:2つの刺激が時間的に同時または近接して与えられたとき生じる学習である。③結果学習contingencylearning:動物が行動した結果に基づいて生じる学習である。学習の種類①余剰学習redundancyl50余剰学習

redundancylearning

学習の最初の過程は、動物がある環境(刺激群)に遭遇し、これを受容することから始まる。しかし、受容したすべての情報が脳内で処理され貯蔵されるわけではない。脳には、情報的に価値のあるものとないものを取捨選択する機構が存在する。このうち、慣れhabituationと呼ばれる現象は重要であり、一種の学習とみなすことができる。余剰学習

redundancylearning51慣れhabituation慣れhabituation52

慣れ学習の成立には脳幹網様体が重要な役割を果たしている。これは、行動の慣れと、脳幹網様体に起因するといわれる脳波の覚醒反応の低下が平行して生じることからわかる。Sokolov(1960)は、網様体にさらに大脳皮質を加え、両者の関連によって慣れが発生する機序を次のように説明している。いま、1つの刺激が与えられたとき、大脳皮質の神経細胞はこの刺激によって活動し、その結果、刺激の種々な特徴を貯える。次にまた刺激が与えられると、この刺激と脳に貯えられている前の刺激パターンが比較される。両者のパターンが一致しない場合は、大脳皮質から網様体に興奮性の神経インパルスが送られ、網様体の活性が高まり、その結果指向反射が生じる。両者のパターンが一致すれば、皮質から網様体へ抑制インパルスが送られ、網様体の活動が低下し、その結果、慣れが生じる。

慣れ学習の成立には脳幹網様体が重要な役53連合学習

associativelearning

前項では、情報的価値のない刺激が捨てられる機序について述べた。それと反対に刺激に情報的価値が付加される場合がある。1つの刺激が情報的に価値のある第2の刺激と同時か、近接して動物に与えられるとき、第1の刺激の情報的価値が増す。第1の刺激の情報的価値増大は、第2刺激と”連合”して与えた結果生じると考えられるから、この種の学習は連合学習と呼ばれている。連合学習

associativelearning54連合学習の成立機構

パブロフPavlovは、連合学習は大脳皮質内で生じると主張した。しかし、近年の研究によって、皮質を外科的に完全に除去した動物にも、連合学習が成立するといわれ、連合学習は、基本的には皮質下で生じると考えられている。また、間脳や中脳を破壊すると連合学習が消失することから、これらの部位が連合学習成立に重要な役割を果たしていることがわかった。また、連合学習が成立していく過程で電気活動(脳波)の最も顕著な変化が脳幹網様体で見られることから、中性刺激と無条件反応の連合は、ここで生じると考える人もいる。しかし、複雑な刺激パターンの分化には、もちろん大脳皮質も必要と思われる。

連合学習の成立機構パブロフPavlovは、55結果学習

contingencylearning

結果学習は、動物がある行動を行った結果に基づいて生じる学習である。いま、動物がある環境下に1つの行動をした結果、報酬rewardを得た場合を考える。動物はこの報酬を刺激として受容する結果、再び同じ環境に置かれると、報酬を得るために前にしたのと同じ行動をするようになる。また行動の結果、報酬でなく罰punishmentを受けると、動物はその後罰から逃れようとする(あるいは罰の効果を弱める)行動をするようになる。報酬または罰は、行動を強めるという意味で強化刺激reinforcingstimulus、または強化因子reinforcerと呼ばれる。結果学習

contingencylearning56結果学習

結果学習の成立には、強化の与え方が重要である。一般に、強化を与えた直前の行動が特異的に強化される。いったん強化された行動も、その行動が生じたとき強化しなければ、やがて生じなくなる(オペラント消去:operantextinction)。また、成立した行動は、行動が起こるたびに全部強化しなくとも、間欠的に一部の行動のみ強化されれば、消去せず持続する(間欠強化:intermittentreinforcement)。結果学習において、もう1つの重要な条件は、強化される行動が生じる環境である。結果学習結果学習の成立には、強化の与え方が重57結果学習模式

手がかり刺激→行動→強化刺激と書ける。特定の手がかり(たとえば、特定の色や図形など)のもとで生じた行動だけを強化すると、その行動は、その手がかりがある時だけ起こるようになる。この現象を刺激弁別stimulusdiscriminationという。

結果学習模式手がかり刺激→行動→強化刺激と58結果学習の脳内機構結果学習は連合学習と異なり、学習成立の過程に大脳皮質の存在が必須であると言われている。このことは、大脳皮質を摘除するか、あるいはその機能を拡延性抑圧spreadingdepressionによって一時的に消失させると、結果学習が成立しなくなることから主張されている。結果学習に対応する記憶は、一側の大脳半球に限局することができる。結果学習の脳内機構結果学習は連合学習と異なり、学習59高次神経机构课件60記憶の固定化

学習の結果生じる動物行動の変化に対応して、中枢神経系内に生じるであろう変化を漠然と記憶ということは前に述べた。このような記憶は再生reproduction可能な時間をもとに、さらに2つに分けられている。短期記憶short-termmemoryとは、短い期間内(分の単位)だけ再生可能なものをいい、長期記憶long-termmemoryとは、さらに長い期間再生可能なものをいう。記憶の固定化学習の結果生じる動物行動の変化に61

記憶の基礎過程に関する説

記憶過程がこのように2段階あることから、次のような仮説が呈示されている(Hebb,1949)。第1段階は脳内神経回路を神経インパルスが回り続けている状態である。つまり動物がある環境に遭遇したとき、感覚器から入力した情報が神経インパルスとして脳に達し、ある特定の神経回路(たとえば反響回路)を回り続ける状態である。第2段階は、上記インパルス活動の結果、神経回路のどこかに構造的ないし物質的変化が生じたことに対応していると考えられる。このような物質的変化を心理学では記憶痕跡memorytraceまたはmemoryengramと呼ぶ。

記憶の基礎過程に関する説記憶過程がこのよう62記憶の基礎過程第一過程で主張される神経インパルスの特定神経回路での循環の発生には、循環回路を作っているシナプスを通過する神経インパルスの多少によって、そのシナプスの伝達効率が、長期にわたって変化する事が必要であろう。近年、中枢神経内、海馬や、大脳視覚野のシナプス前線維を高頻度で連続刺激すると、長時間(数時間から数日)シナプスの促通が生じることが見いだされ、その機構について調べられている。この現象は、長期増強long-termpotentiationと呼ばれ、記憶の第一過程の基礎をなすものでないと、注目されている。記憶の基礎過程第一過程で主張される神経63記憶の基礎過程

第二過程として脳内に引き起こされる構造的変化(記憶痕跡)の本態として、しばしば核酸とタンパク質が取り上げられている。代謝阻害物質を脳内に注入すると、ニューロンのタンパク質および核酸の合成が阻害される。それと同時に迷路学習、回避学習の成立阻害される。ところが、学習成立後、1週間以上たってから阻害物質を脳内に注入しても、その学習行動は影響されないという。そのことから、核酸およびタンパク質が記憶痕跡の成立と密接な関係をもつと考えれている。このように記憶の基礎に関しては諸説が主張されているが、その詳細は現在のところ不明である。記憶の基礎過程第二過程として脳内に引き64二次強化とより高次の学習

ある刺激は、前に述べたように生得的に行動を強化する性質を持っている。たとえば、飢えた動物において食餌は一連の行動を強化する。このような強化因子を一次強化因子primaryreincorcerという。これに対し学習の結果、強化能力を獲得した強化因子を二次強化因子secondaryreinforcementという。高次の学習は、二次強化さらに、より高次の強化によって成立すると考えられる。さらにヒトでは言語学習が加わり、より複雑な学習が形作られている。ヒトの判断とか、計画を立てるという機能も、過去の経験の〈記憶〉にもとづいた複雑な学習行動とみることができる。

二次強化とより高次の学習ある刺激は、前に述べ65脳波の発生機序

脳波の発生に関して2つの考え方がある。1.多数の神経細胞や神経繊維の活動電位群の包絡線envelopeによって生じるとする考え方。2.皮質錐体細胞の尖頭樹状突起apicaldendriteや基底樹状突起basaldendritesなどに見られる、比較的長い経過のシナプス電位の加重したものとする説。脳波の発生機序脳波の発生に関して2つの考え方がある。66脳波の発生機序

①脳波と樹状突起電位の干渉:大脳皮質表面の局所を電気パルスで直接刺激すると、極近傍(約5mmの範囲内)に皮質表面陰性の約10msec持続する電位変動が記録できるこの波は樹状突起電位dendriticpotentialとよばれ、樹状突起、特に尖頭樹状突起に付着するシナプス活動に基づくシナプス電位であるといわれる。樹状突起電位は、脳波の一種である紡錘波spindleと干渉する。脳波の発生機序①脳波と樹状突起電位の干渉:大脳皮質表面の局67脳波の発生機序②脳波と大脳皮質内神経細胞のシナプス電位との相関:大脳皮質内の神経細胞から細胞内誘導によってシナプス性変動synapticfluctuationを記録する。この変動と皮質表面の脳波の相互相関crosscorrelationを調べると、両者の相関が大である。このことは、大脳皮質細胞のシナプス電位が脳波発生の原因であることを示している。脳波の発生機序②脳波と大脳皮質内神経細胞のシナプス電位との相68脳波の記録

脳波の記録69α波

(8-13Hz)β波(14-25Hz)θ波(4-7Hz)δ波(0.5-3.5Hz)α波(8-13Hz)β波(14-25Hz)θ波(4-7Hz70αブロック現象αブロック現象71大脳皮質の誘発電位

感覚受容器や末梢神経や脳の諸構造を刺激すると、大脳皮質に、自発電気活動に加えて、電気活動の一過性の変動が生じる。これは、これら刺激によって、大脳皮質ニューロンの活動が一過性に変化する事に由来する。この変動を誘発電位evokedpotentialとよぶ。通常、誘発電位の記録には、比較的大きな電極が用いられるから、記録すれるものは、単一ニューロンの電気変動ではなく、ニューロン集団neuronpopulationのそれである。。この意味で、誘発電位を集合電位(masspotential)と呼ぶ。大脳皮質の誘発電位感覚受容器や末梢神経や脳の諸72誘発電位の記録刺激時刻に時間軸を合わせて多数回刺激し、得られる電位を加算する事が行われている。これを平均加算法という。いまn回加算すると、刺激から一定の経過で誘発される電位変動(信号)はn倍されるはずである。一方、脳波のようなランダムな電位変動(ノイズ)は√n倍される。それで、信号/ノイズの比が√n倍だけ改善され、刺激による反応が見やすくなり、頭皮上の電極からヒトの誘発電位が記録可能となる。誘発電位の記録刺激時刻に時間軸を合わせて多数回刺激し73睡眠と脳波

脳波は意識のレベルによって著しい変化を示す。①StageW(W):覚醒時。閉眼安静時にはα波が著明、開眼時には低振幅速波(β波)に置き変わる。②Stage1(Ⅰ):眠気が刺した(傾眠)状態。α波振幅が低下すると同時に、その出現する期間も短くなる。それに変わって低振幅徐波(θ波が多く、一部δ波も含む)が出現する。また、大きな鋭波Sharpwaveが出現することが多い。③Stage2(Ⅱ):浅い睡眠。比較的低振幅の徐波が連続し、ときどき12-14Hzの睡眠紡錘波sleepspindleが出現する。また、この時期には、K-複合(K-complex)が出現しやすい。

睡眠と脳波脳波は意識のレベルによって著しい変化を示す。74睡眠と脳波

④Stage3(Ⅲ)とStage4(Ⅳ):深い睡眠時。高振幅のδ波が現れる時期をいう。これが20-30%の時、Stage3といい、50%以上のときStage4という。⑤StageREM(REM):一番覚醒し難い睡眠時。逆説睡眠paradoxicalsleepともいう。入眠して2時間くらい経過するとStage1と似た脳波が出現する。不規則な低~中振幅のθ波、それに低振幅のβ帯からδ帯までの波を含む。この段階では、サッケード運動saccadiceyemovement(急速眼球運動rapideyemovement:REM)、顔面、手足の小さな収

縮が生じる。夢体験が活発である。筋のトーヌスは完全に消失する。睡眠と脳波④Stage3(Ⅲ)とStage4(Ⅳ)75睡眠と脳波睡眠と脳波76睡眠夜間睡眠中、Stage1は比較的短く1~7分続く。それからStage2→Stage3→Stage4→StageREMと進む。各段階の持続時間はまちまちであるが、全段階を一巡するのに1.5~2.0時間かかる。これを一夜に4~5回くりかえす。1晩の睡眠のうち、Stage2が1番長く、全睡眠時間の約半分を占める。次に長いのがStageREMで、成人では、1/4~1/5を占める。睡眠夜間睡眠中、Stage1は比較的短く1~77睡眠周期

睡眠周期78レム睡眠REMsleep

レム睡眠REMsleep79レム睡眠REMsleepレム睡眠REMsleep80高次神経机构课件81高次神経机构课件82言語

成人の言語野speechareaは一般に、右・左利きに無関

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