东京大学公共政策大学院教材

1、事例研究(経済政策問題分析 III)- 規制産業料金価格制度 -(第回 手法(2) 財務諸表分析)2012年 5月 1日 戒能一成1. 財務諸表基礎1-1. 財務諸表基礎知識(1) - 財務諸表作成目的 - 客観的定量的組織経営状態把握経営状態把握 - 関係者(株主債権者)向情報開示提供情報開示提供 - 資産利益確定公租公課賦課公租公課賦課 - 財務諸表作成根拠 - 一般企業 - 会社法税法 (全企業) - 金融商品取引法 (上場企業) - 公的組織(公営企業独立行政法人他) - 組織形態毎特別法令規定 21. 財務諸表基礎1-2. 財務諸表基礎知識(2) - 財務諸表作成時期公開 - 財務諸

2、表通常年度毎作成年度毎作成、当該期 間内(年度)経営結果公租公課賦課額 確定- 株式会社3月末決算、4月末計算書提出、 6月末株主総会場合多 - 上場企業多、投資家保護観点 四半期毎中間財務諸表作成義務 - 上場企業財務諸表常時WEB閲覧可能 http:/info.edinet-fsa.go.jp/E01NW/ 31. 財務諸表基礎1-3. 財務諸表基本構成(1) - 財務諸表個別連結 連結財務諸表連結財務諸表当該組織子会社含 作成財務諸表、個別財務諸表単独分 財務諸表子会社株式表現 - 財務諸表内容 貸借対照表損益計算書貸借対照表損益計算書、株主資本等変動報告書、附属明細書 (+ 計算書 (

3、上場企業) 通常、連結貸借対照表損益計算書分析41. 財務諸表基礎知識1-4. 財務諸表基本構成(2) - 貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L) - 貸借対照表貸借対照表、当該組織負債資本(貸方) 資産(借方)、財関年 度末時点状態示表: Balance Sheet- 損益計算書損益計算書、当該組織年度内売上 費用財、結果 年度累計利益又損失(損益)示表: Profit and Loss Statement 51. 財務諸表基礎知識1-5. 財務諸表基本構成(3) - 貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L) 貸借対照表貸借対照表 損益計算書損益計算書 (X年年3月末月末) (X-1年年4

4、月月 - X年年3月期月期) nen 6資産資産流動資産流動資産 現金預金現金預金 在庫在庫固定資産固定資産 建物機械建物機械 土地土地 知財知財 出資貸付出資貸付繰延資産繰延資産負債負債流動負債流動負債 短期借入短期借入固定負債固定負債 社債社債 長期借入長期借入 引当金引当金 純資産純資産 資本金資本金収益収益経常収益経常収益 営業収益営業収益 売上高売上高 営業外収益営業外収益 受取利息配当受取利息配当 雑収入雑収入特別利益特別利益 資産売却益資産売却益費用費用経常費用経常費用 営業費用営業費用 売上原価売上原価 販売管理費販売管理費 営業外費用営業外費用 支払利息支払利息特別損失特別損

5、失 資産売却損資産売却損当期利益損失当期利益損失当期利益損失当期利益損失1. 財務諸表基礎知識1-6. 財務諸表基本構成(4) - 計算書 (98年上場企業義務化) - 計算書計算書、当該組織年度 内資金流取出、営業活動 投資活動財務活動 3区分表現表: Cash Flow Statement - 営業活動: 支出 費用支払 - 収入 売上収益 - 投資活動: 支出 資産取得投資 - 収入 同売却 - 財務活動: 支出 負債償還 - 収入 借入起債 資金繰, 管理面重要 71. 財務諸表基礎知識1-7. 公的組織財務諸表 - 公営企業独立行政法人財団法人財務諸表 - 損益計算書従来一般企業同

6、- 貸借対照表大異： 特90年代以前 (例: 資本的収支予算書決算書場合) 過去資本償却概念存在 2004年前後大幅制度改正年前後大幅制度改正行一般企業財務諸表非常近、 結果時系列接続困難結果時系列接続困難側面 82. 貸借対照表見方2-1. 貸借対照表基本区分 - 貸借対照表上流動固定区分 流動性兌換性区分 流動流動資産負債: 1年未満年未満換金又支払要資産負債 及 循環的循環的取引資産負債 (例: 現金、買掛金) 流動性兌換性大 固定固定資産負債: 1年以上年以上中長期的保有又償還資産負債 (例: 建物、社債) 流動性兌換性小 92. 貸借対照表見方2-2. 貸借対照表 - 資産(1) 流

7、動資産 - 流動資産流動資産 今後1年未満換金資産 商取引循環的生資産 - 現金預金 - 棚卸資産(=在庫, 商品半製品仕掛品) - 短期債権(受取手形、未収売掛金、前渡金) - 貸倒引当金(短期債権分負値計上) 企業短期的支払能力裕度示指標 短期債権(売掛金)粉飾決算粉飾決算注意点一 10資産資産流動資産流動資産 現金預金現金預金 在庫在庫固定資産固定資産 建物機械建物機械 土地土地 知財知財 出資貸付出資貸付繰延資産繰延資産2. 貸借対照表見方2-3. 貸借対照表 - 資産(2) 固定資産 - 固定資産固定資産 今後1年以上長期保有資産 - 有形償却資産: 建物機械 - 同非償却資産: 土

8、地建設仮勘定 - 無形資産: 知的財産権、 - 投資他資産: 有価証券、出資長期貸付 (含 長期貸付分貸倒引当金(負値計上) 有形償却資産、各法定耐用年 数応減価償却減価償却費用化( 損益計算書) 有形資産固定資産税(地方税)課税対象11資産資産流動資産流動資産 現金預金現金預金 在庫在庫固定資産固定資産 建物機械建物機械 土地土地 知財知財 出資貸付出資貸付繰延資産繰延資産2. 貸借対照表見方2-4. 貸借対照表 - 資産(3) 繰延資産 - 繰延資産繰延資産 会社法上後年度繰延可能費用一旦資産計上多 5年以内繰延可 - 創立費開業費 - 株式交付費社債発行費建設利息 - 研究開発費 全計上

9、場合多計上場合多 (例: 毎年一定研究開発費場合) 12資産資産流動資産流動資産 現金預金現金預金 在庫在庫固定資産固定資産 建物機械建物機械 土地土地 知財知財 出資貸付出資貸付繰延資産繰延資産2. 貸借対照表見方2-5. 貸借対照表 - 負債(1) 流動負債 - 流動負債流動負債 今後1年未満弁済要債務 及 商取引循環的生負債 - 短期借入金 及 満期到来長期借入金 - 短期債務 (支払手形、未払買掛金、仮受金) - 引当金 (修繕費賞与短期) - 未払法人税事業税消費税等 今後短期的支払逼迫度示指標(= 流動資産 - 流動負債)13負債負債流動負債流動負債 短期借入短期借入固定負債固定負

10、債 社債社債 長期借入長期借入 引当金引当金 2. 貸借対照表見方2-6. 貸借対照表 - 負債(2) 固定負債 - 固定負債固定負債 今後1年以上掛償還負債 - 社債 - 引当金 (退職給付製品保証長期) (- 貯金、保険契約準備金: 金融保険業場合) 債務保証先物契約手形割引、将来的 発生可能性債務偶発債務偶発債務 扱、貸借対照表注記 当期分偶発債務純資本負値計上 14負債負債流動負債流動負債 短期借入短期借入固定負債固定負債 社債社債 長期借入長期借入 引当金引当金 2. 貸借対照表見方2-7. 貸借対照表 - 純資産 - 純資産純資産 資本金剰余金構成、資産負債 差等 - 資本金 -

11、資本剰余金(資本取引剰余) - 利益剰余金(損益取引剰余:当期利益損失当期利益損失) - 評価換算差額( = 損益計算書) - 新株予約権少数株主持分 確定当期分偶発債務評価差額 15純資産純資産 資本金資本金当期利益損失当期利益損失3. 損益計算書見方3-1. 損益計算書基本区分 - 損益計算書上営業営業外特別区分 利益損失当期帰属性区分 (経常経常利益損失 (= 営業+営業外) 営業営業収益費用: 当期内損益取引当期内損益取引生収益費用 営業外営業外収益費用: 当期内財務取引当期内財務取引生収益費用 (特別特別利益損失) 当期業績関係経営上利益損失163. 損益計算書見方3-2. 損益計算

12、書 - 収益(1) 経常収益 - 経常収益経常収益 当期帰属損益資本取引 生収益 - 営業収益 = 損益取引収益売上高 - 営業外収益 = 資本取引収益 受取利息配当、雑収入雑益 当期企業収益力示指標 (経常損益 = 経常収益 - 経常費用) 17収益収益経常収益経常収益 営業収益営業収益 売上高売上高 営業外収益営業外収益 受取利息配当受取利息配当 雑収入雑収入特別利益特別利益 資産売却益資産売却益3. 損益計算書見方3-3. 損益計算書 - 収益(2) 特別利益 - 特別利益特別利益 当期業績関係利益 - 不動産売却益 - 投資有価証券売却益 特別利益含、経常利益費用損益経常利益損失経常利

13、益損失 経常利益損失最一般的経営指標 連続経常損失出特別利益増場合、経営悪化示典型的危険信号 18収益収益経常収益経常収益 営業収益営業収益 売上高売上高 営業外収益営業外収益 受取利息配当受取利息配当 雑収入雑収入特別利益特別利益 資産売却益資産売却益3. 損益計算書見方3-4. 損益計算書 費用(1) 経常費用 - 経常費用経常費用 当期帰属損益資本取引 生費用 - 営業費用 = 損益取引費用売上原価売上原価 - 材料費労務費製造経費 販売管理費販売管理費 - 販売手数料運送費広告費 - 営業外費用 = 資本取引費用 支払利息支払利息配当、雑支出雑損 当期経営要費用費用直接的指標 19費用

14、費用経常費用経常費用 営業費用営業費用 売上原価売上原価 販売管理費販売管理費 営業外費用営業外費用 支払利息支払利息特別損失特別損失 資産売却損資産売却損3. 損益計算書見方3-5. 損益計算書 費用(2) 特別損失 - 特別損失特別損失 当期業績関係損失 - 不動産売却損 - 有価証券売却損 経常収益費用、特別利益損失合算結果税引前当期純利益税引前当期純利益(損失損失)利益場合、当該結果法人税事業税 等控除当期利益当期利益(損失損失)得 ( = 貸借対照表 (純資産中余剰金)20費用費用経常費用経常費用 営業費用営業費用 売上原価売上原価 販売管理費販売管理費 営業外費用営業外費用 支払利

15、息支払利息特別損失特別損失 資産売却損資産売却損当期利益損失当期利益損失4. 費用詳細4-1. 費用分析重要性 - 財務諸表得情報、規制料金制規制料金制度余剰分析観点重要度余剰分析観点重要項目 4 1) 平均費用内訳構成平均費用内訳構成 損益計算書経常費用内訳変化 2) 設備投資関基礎情報設備投資関基礎情報 貸借固定資産損益減価償却費変化 3) 料金価格関参考情報 損益計算書売上高変化 4) 生産者余剰関参考情報 経常損益当期損益変化 214. 費用詳細4-2. 平均費用内訳構成(1) - 損益計算書経常費用、明細書概以下可変費固定費区分可能可変費固定費区分可能 可変費 - 生産量比例的増減

16、原材料費, 水光熱費, 梱包費輸送費, 廃棄物処理費, 人件費(残業手当) 固定費 - 生産量無関係 減価償却費, 修繕費, 不動産関係費, 人件費(基本給分福利厚生), 管理費 厳密生産量連動部分可変費 224. 費用詳細4-3. 平均費用内訳構成(2) - 損益計算書経常費用、該当期生産量割費目別総平均費用費目別総平均費用算定可能23 Qmax費用 C平均費用平均費用 AC限界費用 MC需要需要 D Qreg 規制料金規制料金 Preg（ （= ACreg x (1+) (Qregevn) Q*平均費用平均費用 AC数量 Q Preg ACreg4. 費用詳細4-4. 設備投資減価償却(1

17、) - 年度設備投資取得資産、貸借対照表上固定資産貸借対照表上固定資産計上 - 当該資産、資産毎財務省令定法定耐用年数従、定率法又定額法減価償却、毎年度損益計算書上経常費用損益計算書上経常費用内訳減価償却費内訳減価償却費計上 - 次年度、貸借対照表上固定資産当該減価償却費分減額残額簿価計上、耐用年数過迄繰返 244. 費用詳細4-5. 設備投資減価償却(2) - 減価償却意味、固定資産耐用年数従耐用年数従劣化減耗部分費用計上劣化減耗部分費用計上、当該資産再取得現預金他資産形内部留保分課税対象利益外 25(投資) (内部留保内部留保 = 再投資再投資 原資原資)価格費用時間0貸借対照表貸借対照表

18、固定資産固定資産(直接法直接法)損益計算書損益計算書減価償却費減価償却費法定耐用年数(投資) 貸借対照表貸借対照表固定資産固定資産(間接法間接法)貸借対照表貸借対照表減価償却累計減価償却累計損益計算書損益計算書減価償却費減価償却費時間法定耐用年数4. 費用詳細4-6. 設備投資減価償却(3) - 毎年度設備投資再投資応、設備投資減価償却周期変動、長期観察必要長期観察必要 26設備投資価格費用時間0法定耐用年数損益計算書損益計算書減価償却費減価償却費貸借対照表貸借対照表固定資産変化固定資産変化実線実線: 直接法直接法破線破線: 間接法間接法5. 実践編 - 日本航空(元公営10上場廃止)5-0.

19、 財務諸表経済学上実践活用法- 財務諸表単体分析 財務諸表 510年度整理時系列分析時系列分析 (実質名目換算注意) 同業他社等比較分析比較分析 (例: JAL vs ANA)- 財務諸表業務統計複合分析 単位価格単位価格, 平均費用平均費用時系列分析比較分析 ( 人km当売上, 人km当輸送費用他 ) 投資内容規模投資内容規模時系列分析比較分析 ( 当投資額他 ) 275. 実践編 - 日本航空(元公営10上場廃止)5-1. 日本航空(5) 200708年度連結財務諸表 貸借対照表 (億円)損益計算書 (億円)282007 2007 2008 2008 2007 2007 2008 2008

20、 資産資産21228 21228 17507 17507 負債負債16517 16517 15539 15539 流動資産流動資産8103 8103 4870 4870 流動負債流動負債6612 6612 6499 6499 現預金現預金3550 1637 未払短借未払短借2680 1930 手形未収金手形未収金2413 1709 満期長借満期長借1583 1804 在庫他在庫他2140 1524 債務債務0 1263 固定資産固定資産13105 13105 12626 12626 他他2349 1503 航空機航空機7220 7236 固定負債固定負債9905 9905 9040 9040

21、他有形他有形3151 3074 社債長借社債長借8950 8091 無形無形828 795 退職引当金退職引当金955 949 投資他投資他1906 1520 純資産純資産4711 4711 1968 1968 繰延資産繰延資産19 11 資本金資本金2510 2510 剰余金他剰余金他2119 1476 損益損益82 -2018 2007 2007 2008 2008 2007 2007 2008 2008 収益収益22875 22875 202720271 1 費用費用225722576 6 20861 20861 経常利益経常利益22512 19825 経常費用経常費用21814 206

22、47 営業収益営業収益22304 19512 営業費用営業費用21404 20020 事業費用事業費用17770 16879 販売管理販売管理3634 3142 ( (営業損益営業損益) )900 -509 営業外収益営業外収益208 313 営業外費用営業外費用410 626 ( (経常損益経常損益) )698 698 -822 -822 特別利益特別利益362 446 特別損失特別損失762 214 ( (税引前損益税引前損益) )298 -590 法人税他法人税他129 42 ( (当期純損益当期純損益) )169 169 -632 -632 5. 実践編 - 日本航空(元公営10上場廃

23、止)5-2. 日本航空(1) 損益計算書 - 上場廃止前08年度経常損益822億円億円 - 人km当収益堅調国際線搭乗率悪化 2919-719-416206698-822200320042005200620072008-5000-2500025005000750010000125001500017500200002250025000億円名目事業収益事業費用販売管理費経常損益日日 本本 航航 空空 損損 益益 計計 算算 書書国内線 国際線 席km当事業費用人km当事業費用人km当収益2003200420052006200720080.02.55.07.510.012.515.017.520.0

24、22.525.027.530.0/人(RPK),/席(ASK)0.600.630.650.680.700.730.750.780.80搭乗率人当収益人当事業費用席当事業費用国際線搭乗率国内線搭乗率日日本本航航空空 平平均均収収益益平平均均費費用用5. 実践編 - 日本航空(元公営10上場廃止)5-3. 日本航空(2) 損益計算書平均費用 - 販管費率低下経営努力効果経営努力効果 - 08年度国際線搭乗率悪化国際線搭乗率悪化影響大 30経常利益率 販売管理費用率 事業費用率2003200420052006200720080.5000.5500.6000.6500.7000.7500.8000.8500.9000.9501.000事業費用率-0.0500.0000.0500.1000.1500.2000.2500.3000.3500.4000.4500.500販売管理費用率経常利益率事業費用率販売管理費用率経常利益率日本航空 損益計算書-費用率日本航空 損益計算書-費用率利益率分析利益率分析( 各費用( 各費用経常利益 / 収益 )経常利益 / 収益 )国内線搭乗率 国際線搭乗率 国内線人 国際線人20032004